高分子静電容量式の湿度計センサーの仕組みと特徴

空気中の湿度を測定して電気信号に変換するためのセンサーで一番多く使用されているのが、高分子静電容量式の素子です。

これは、空気中の水分を吸収すると膨張する性質を持つ高分子性の感湿膜を2枚の電極で挟んだ構造のコンデンサーになっています。測定原理ですが、湿度が高いと感湿膜が空気中の水分を吸収して膨張します。感湿膜が膨張すると、2枚の電極間の距離が長くなります。コンデンサーの静電容量は極板間の距離に反比例するので、静電容量から感湿膜の厚さを測定することで湿度が分かります。高分子静電容量式の湿度計センサーの大きなメリットは応答速度が速く、瞬時に湿度を測定することができることです。

温度変化に強いので、高温または低温の環境下でも使用できます。空気が乾燥すると感湿膜が薄くなるので電極間の距離が短くなり、静電容量が大きくなります。このため、湿度が低い環境でも正確に測定することができるというメリットもあります。高分子静電容量式の湿度計センサーには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。コンデンサーを構成する2枚の極板間は絶縁させる必要があるので、感湿膜と金属性の電極の間に電流が流れないようにシールドを設けなければなりません。静電容量を正確に測定するためには回路の電気抵抗を小さくする必要があるので、湿度計の部分のケーブルが太くなってしまいます。当然のことですが、正しい測定値を得るためには高精度な回路が必要になります。

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