HACCPで要求される食品管理

HACCPとは、HazardAnalysisandCriticalControlPointのそれぞれ頭文字を取った略称で、直訳すると「危害要因分析重要管理点」となります。

簡単に言うと、食品工場において、原料の入荷・製造・出荷にいたるまでの全ての工程で、異物混入などの要因を分析と対策を施し、作成した管理基準に沿って測定したデータを記録し、管理する方法です。「HACCPの制度化」という言葉を耳にしますが、正確には、平成30年に改正された食品衛生法中で「原則としてすべての事業者がHACCPに沿った衛生管理を行う」と規定されています。この制度は、公布から2年以内に施行され、1年間の猶予期間が設定されています。

HACCPに沿った衛生管理は、調理器具・施設・従業員の作業着等の衛生管理のほか、食品加工における温度管理が需要になります。調理器具の管理はもちろんですが、施設の衛生管理については、害虫等の侵入防止対策や、床の塗装や消毒によってカビ・菌の繁殖を防ぐ対策が必要になってきます。また従業員の手洗い・エアーシャワーなどの管理も重要なポイントです。日々の管理で最も重要視されているのは、食品加工による温度管理です。

特に微生物の制御・殺菌では加熱・冷却という方法が用いられます。この加熱・冷却の温度管理が不十分であると、微生物の制御・殺菌を十分に管理できていないことになります。温度管理については、非接触温度計を用いて紙に記録する方法から、最近ではデータロガー付きの温度計で計測し、自動的にPCなどで記録するシステムは、サーモグラフィーなどを使って管理するシステムが用いられています。HACCPによる衛生管理は「危険要因の把握・分析・対策・管理基準の設定・管理記録」が重要なポイントになりますが、この衛生管理システムをスムーズに運用するために一番必要なことは、「従業員の意識」です。

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